血圧が高いと言われた場合、ドキッとしますね。でも、いったいどれくらいの血圧が安心なのかは分かりません。
血圧には、これくらいの値が健全ですよという範囲があります。血圧の正常値といいます。日本高血圧学会によると、血圧の正常値は、『120/80』よりも下の値となっています。2019年から基準が新しくなっています。以前よりも厳しくなっています。
どれくらいの血圧が正常な範囲なのか詳しくまとめてみます。
血圧の正常値
日本高血圧学会によると、血圧の正常値を次のように分類されています。
血圧分類 | 上の血圧 | 下の血圧 | |
正常域血圧 | 正常血圧 | ~120 | ~80 |
正常高値血圧 | 120~
129 |
~80 | |
高値血圧 | 130~
139 |
80~
89 |
|
高血圧 | Ⅰ度高血圧 | 140~
159 |
90~
99 |
Ⅱ度高血圧 | 160~
179 |
100~
109 |
|
Ⅲ度高血圧 | 180~ | 110~ | |
収縮高血圧 | 140~ | ~90 |
(日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2019」より)
正常血圧は、120/80未満となります。
あくまでも血圧は健康の一つのバロメーターであって、この数字を超えているから健康ではないということではありません。しかし、この数字を超える血圧の場合は、体のあちこちに負担がかかっている状態ということは知っておく必要があります。
日本人の血圧は実際どれくらいなのか?
血圧の正常値についてわかったところで、日本人の実際の血圧はどれくらいなのかを見てみましょう。
厚生労働省は、毎年「国民健康・栄養調査」というものを実施して、われわれ国民の健康状態を調べています。
この調査結果によると、一般的な血圧の平均は、年代別で次の通りです。
年齢 | 男(上の血圧) | 男(下の血圧) | 女(上の血圧) | 女(下の血圧) |
20代 | 116.6 | 74.5 | 108.9 | 68.4 |
30代 | 119.5 | 79.1 | 110.8 | 71.5 |
40代 | 128.3 | 83.9 | 118.4 | 76.0 |
50代 | 133.4 | 86.4 | 125.1 | 79.0 |
60代 | 138.2 | 85.0 | 134.7 | 81.1 |
70代以上 | 140.9 | 80.3 | 138.4 | 78.0 |
(厚労省 平成29年度 国民健康・栄養調査より)
あくまでも平均です。実際には高い人も低い人も大勢います。
ですが、実際に年齢が上がるにつれて、血圧は上も下も上がっていく傾向があります。
どこからが高血圧?
一般的に高血圧と呼ばれるのは、血圧が140/90を超えた段階です。Ⅰ度高血圧といわれる状態で、3段階に分けられる高血圧の最初の段階です。特に自覚症状はない場合が多く、自覚症状があっても気が付きにくいようです。ただちに体調が悪化していく状態ではありませんが、すでに心臓と血管には負担がかかっている状態なので、注意が必要です。
血圧が高くなったということは、体が何かのサインを送っているということですので、血圧を下げて、正常範囲となるように気をつけていく必要があります。
血圧が高めの場合にすべきこと
血圧が高くなってきた場合にすべきことは3つあります。
②食事や運動などの生活習慣を見直すこと
③ストレスを溜めこまないこと
まずは血圧が高くなった原因を知ることなのですが、何かの持病がある場合を除き、原因が分かる場合は少ないです。むしろ食事や運動不足、ストレスが原因となっている場合が多いです。
ですから、まずは食事の改善から取り組むほうが、血圧を下げる近道です。食事は規則正しい食事を心がけ、腹八分目の減塩食です。肉類や油っこいものが多い場合は、魚と野菜中心の食事にかえていきます。
特に塩分に気をつけます。塩分は1日6gまでとして、減塩を心がけます。正確に何グラム摂ったということは分かりにくいので、調味料を減塩表示のあるものにしたり、味の濃いものを控えるようにすることから始めます。
魚には血液の流れをよくするDHA・EPAが豊富に含まれているので、是非食べるようにしたい食材です。
DHA・EPAは人の体内でつくりだすことは出来ない栄養です。食べ物からとり入れるしかありません。
DHA・EPAには、強い抗酸化作用があり、血液をサラサラにし、血管を若々しく保とうとするはたらきがあります。まさに血圧が高めの方にはピッタリの栄養です。
血圧を下げるはたらきをする食材は、こちらでまとめています。
>>高めの血圧を下げる効果がある食べ物・食材!必要なのは積み重ね!
運動は、いきなりハードな運動を始めても長続きしません。ウォーキングなどの軽めで続けられそうな運動から始めます。テニスなど、趣味のスポーツがある場合は、回数を増やすとよいです。1日30分以上の運動が推奨されています。
何も体を動かさないことはおすすめしません。自分にできる範囲で、体を動かして運動する努力をしたほうがよいです。
ストレスチェックは、血圧が高めの場合は欠かせません。血圧はデリケートなものですから、心の状態が大きく反映されます。自分の楽しみや趣味、娯楽など、適度な気分転換を行い、ストレスを減らし、解消していきましょう。
目標は、健康な生活習慣を身につけ、血圧を正常値まで下げていくことです。
血圧が高い場合の日常生活の注意点
血圧が高くなってしまった場合、日常生活でもいくつか注意すべきことがあります。血圧が正常値になるまで、油断はできません。
・食事は減塩のものを中心にとる。
・トイレでりきまない。
・毎日血圧測定を続ける。
・しっかり睡眠をとり、十分休養する。
・入浴は40度。ぬるめのお湯にゆっくりとつかる。
・寒暖差に注意する。
・バランスの良い食事を心がける。
・インスタント食品はとらない。
・イライラしたり、ストレスをためない。
全部に気をつけることは難しいです。自分ができることから気をつけていくようにするといいです。
まとめ
血圧には正常値があります。120/80未満です。
血圧が高めの場合には、早めに血圧を下げる取り組みを始めましょう。食事の改善と運動習慣を身につけることが、高めの血圧を下げる効果的な方法です。
血圧の正常値は、自分の健康状態を知る一つの目安です。
自分の今の健康状態を知り、より健康で充実した生活を送れますよう願っています。