昔から「リンゴが赤くなると医者が青くなる」と言われてきました。医者いらずの食べ物としてリンゴは人気の食べ物でした。
リンゴには、高めの血圧を下げる効果があるとされているポリフェノールをはじめ、たくさんの栄養が含まれています。特に季節が旬の時期のリンゴは最強の食べ物かもしれません。
昔の人々は、そのリンゴが持つ栄養の力に気が付いていたのです。血圧を下げる食べ物特集、今回はリンゴです。
リンゴのポリフェノールが高めの血圧を下げる!
リンゴには、「リンゴポリフェノール」と呼ばれるリンゴ独自のポリフェノールが入っています。このリンゴポリフェノールは、高めの血圧を下げる効果があるとされています。少しはたらきを紹介します。
ポリフェノールには、強い抗酸化作用があります。細胞は酸化するとサビて硬くなり老化していきます。抗酸化作用とは、その逆です。血液の通り道である血管が老化し、次第に硬くなっていくのを防いでくれます。血管を柔軟でピチピチの健康な状態に保つというわけです。
また、ポリフェノールには血液中のコレステロールと中性脂肪を減らすはたらきもあります。血液がドロドロになってしまう成分を取り除いて、サラサラの血液にしていくのです。
さらにポリフェノールの中でも「リンゴポリフェノール」には、ものすごい効果があります。血圧が上がる原因になる物質アンジオテンシンが作られていくのを防止するはたらきがあるのです。仕組みを説明します。
本来ヒトの血圧は、上がりすぎず下がりすぎず一定を保とうとします。これは、血圧が上がったときに下げようとする物質がはたらくからです。下げようとするはたらきを邪魔する物質がアンジオテシンです。アンジオテシンの影響で、高くなった血圧は下がりにくくなってしまいます。リンゴポリフェノールは、このアンジオテシンのはたらきを阻害するのです。
多くの果物や野菜にもポリフェノールは入っています。しかし、リンゴが血圧に良いとされているのは、リンゴポリフェノールがあるからなのです。
豊富な食物繊維とカリウム!
リンゴの成分には、まだ続きがあります。それは、食物繊維とカリウムです。どちらもリンゴに豊富に含まれている成分です。
食物繊維は「からだの掃除屋さん」です。特に腸内の不要な物質を身体の外へと出してくれます。腸内環境が整えられていくのです。腸は第2の脳と呼ばれ、腸内環境が整うことで免疫をはじめ、からだの機能が向上していきます。また、低カロリーで、便秘解消にも大活躍の成分なのです。
リンゴに含まれるカリウムも、からだに必要な成分です。カリウムには、体内の塩分を外に出すはたらきがあります。塩分の摂りすぎは、高い血圧の原因の一つですので、このはたらきは重要です。
リンゴ100gあたりに含まれているカリウムの量は、約110㎎です。通常の大きさのリンゴなら、1個につき、約200~400㎎のカリウムが入っているということになります。塩分1gをからだから排出するためには、約300㎎のカリウムが必要です。摂りすぎた塩分を外に出すはたらきが期待される成分ですが、摂りすぎは腎臓等に負担がかかるのでよくないと言われています。
カリウムの摂取量は、18歳以上の男性で2500㎎、女性で2000㎎が基準とされています。血圧が高い場合は、3000㎎以上を目指すようにするとよいと思われます。世界基準(WHO)は、3000㎎を超えています。毎日摂り続けるとなると、結構がんばらないと達成できない量です。
1日に食べるリンゴの量は?
結論として、リンゴは1日に何個食べても大丈夫です。
大切なことは、1回に大量のリンゴを食べることではありません。健康のことを考えて、リンゴを毎日食べ続けることです。そのことを考えると、1日1個のリンゴがピッタリかと思います。年中続けることは難しいと思いますので、できるだけリンゴを食べるように意識しておくとよいのではないでしょうか。
リンゴダイエットは効果がある?
かつて、リンゴダイエットが流行した時期がありました。食べてよいのはリンゴだけ。その代わり何個でもたべていいという内容でした。
わたしも以前チャレンジしたことがあります。ひたすらリンゴだけを食べ続けました。「どのリンゴがおいしい」だとか、「どこの産地が甘い」だとか、少しリンゴに詳しくなったのを覚えています。
何よりも衝撃的だったのは体重が落ちたことです。数日間で効果が出ました。確か3日間だったと思います。でも、あまりおすすめはしません。3食リンゴだけというのは結構つらいです。ダイエット後に普通の食事をどんどん食べれば、すぐに元に戻ってしまいます。アフターケアも重要ですから。
大切なのは、バランスのよい食事です。毎日の食事の中にリンゴを入れることは、かなり健康と血圧にいいことなのです。